ぶちょうは、いつも坂道を下りる時は勢い止まらず駆け降りたけど、
犬生の最後も一気に駆け抜けて行った・・・。
亡くなる前の5か月を振り返ってみます。
<2018年8月9日>14歳の誕生日。
疲れやすくはなったけど全然元気、15歳の誕生日も絶対来る!と思っていた。

<9月16日>公園ではぶちょうからこびんにブヒレスを仕掛ける程、元気。
公園のお散歩にテンション上がるぶちょうと、やる気のないこびん。
9月は軽井沢や那須など、お出掛けもたくさんした。

<10月8日>3日間の木曽路旅。
暑かったけど、楽しそうに旅行した。ご機嫌。

<10月17日>昼間寝て過ごすことが多くなっていたけど、
特に大きな変化はまだ感じていなかった。
10月後半は私の風邪が長引いたこともあり、あまりお出掛けも出来なかった。

<11月5日>設置した階段を使ってベッドに上がるぶちょう。
よろけながら上がる姿に足腰の急速な衰えが気になり始める。
今思えば、平衡感覚にも支障が出てきていたのかも・・・。
2階への階段を上らなくなったのも確かこの頃だと思う。
ごはんのドライフードを初めて20粒位残したのもこの頃。

<11月24日>いつもの公園お散歩もまだ普通に出来ていた。
時々後ろ足をスキップするのが気になっていたが、
腎臓病の数値も変わらなかったので、様子を見ることにした。
11月はぶちょうの様子が徐々に変化していった月だったが、
左前足と右後ろ足に出来た腫瘍を取るかどうするか、
ということばかり気にしていた。
11月中旬にベッドの布団の上にオシッコしてしまったのも、
それまでにはあり得ないことだった。

<12月5日>寝ている姿勢に変化が。
こんな風にのけ反った姿で寝ることは、それまでなかった。
これも脳腫瘍の影響か?

<12月6日>12月に入ると食欲が更に減退。
この日はゆっくりだが9割方食べる。
部屋の中を徘徊するような動きが出てきた。
シャンプーする時にも動き回って大変になった。

<12月10日>朝ごはんを自分では全く食べず、手ですくってあげると
なんとか食べてくれた。
起きている間はほとんど徘徊するようになり、部屋の角や家具の隙間などで
後退できずに固まってしまい、
悲鳴(それまでに出したことのない声)をあげるようになった。
トイレの場所を認識することも難しくなった。
症状から認知症だと思っていた。
車も大人しく乗っていることが出来なくなり、
12月17日ひとりで病院に連れて行くのはとても大変だった。
この日初めて脳腫瘍の可能性を示唆された。
すでに検査、治療という状態ではなかった。年齢的にも体力的にも。
結局、この日が最後の通院になった。

<12月23日>なんとか公園のお散歩が出来る状態。
表情も無くなった。遠くを見るような目。
特に後ろ足には力が入らないようで、ごはんは支えながら手で食べさせ、
水もスプーンですくって流し込むようになった。
ごはんはドライフードに鰹節やごま油、クリームチーズなど色々混ぜてみたが、
段々と食べなくなっていった。
お水はごくごく飲んでくれた。
12月29日、まだこの先頑張ってくれると信じ、
泣き叫ぶ中必死にシャンプーした。
最後のシャンプーだった。嫌だったのにごめんね。

<2019年1月3日>年が明けたら、ほとんど何も食べなくなり、ひたすら徘徊。
大好きなさつま芋や生クリームさえも食べなくなったけど、
この日鶏肉を少し食べてくれた。でもその後下痢になってしまった。

<1月5日>徘徊に疲れて眠るぶちょう。
徘徊中に転んで顔を打ったり、壁や物にぶつかったりが激しく、
付きっきりの介護が必要になっていた。
急に起きて動き出すと危険なので、寝ている間も見守り。
食べ物は全く口にしなくなった。食いしばった歯を開けようとしない。
お水だけは飲む。
夜、祈るような気持ちで流動食をシリンジで与えたら、飲み込んでくれた。
何口か飲ませた後、初めて1/2錠の安定剤を飲ませた。
安定剤を飲ませたことが良かったのか悪かったのか・・・分からない。
しばらくして寝てくれたので、ソファで添い寝した。(眠れないけど)

その夜、日付の変わった午前3時、
寝息を立てていたぶちょうだったが、流動食を少し吐き、
一瞬呼吸が止まったように感じた。急いでぶちょこ父を呼んだ。
すぐに呼吸は戻ったが段々と弱くなり、見守る中静かに息を引き取った。
ぶちょうの徘徊が酷くなってきた頃、こびんにも変化があった。
ぶちょうに付きっきりになっていたこともあってか、
ぶちょうを攻撃するようになった。
歩き回るぶちょうをじーっと目で追っては、
隙あらば噛み付くという感じだった。
完全に分離しなければならなかった。
でもぶちょうが亡くなってしまうと、こうして寄り添うこびんだった。
きっと思う所があったのだね・・・。


<1月7日>ぶちょうを火葬した。
左側の頭蓋骨が薄くなっていて、大きくめくれていた。
「あ〜、ぶちょうは脳腫瘍だったんだな・・・。」とこの時思った。
フレブルが脳腫瘍の好発犬種だということも、病気の事を調べ出して知った。
てんかん発作、けいれん発作はなかったものの、
グルグル回る旋回運動、体の平衡が保てない運動失調、
頭を押し付ける行動など、思い当たる節は多い。
症状が出て1〜2か月で亡くなってしまったので、
腫瘍は急速に大きくなったのだろうと推測する。
全てに納得がいく。
痛みもあったかもしれないが、その期間は短かったのだと信じたい。
最期は一気に駆け降りて・・・
そして、天国へとゆっくりゆっくり上って行ったのだろう。
きっと、後ろを振り返り、振り返りしながら・・・。
ぶちょう、何度でも何度でもありがとう。